東北夢の桜街道

岩手県

90番 上閉伊酒造(かみへいしゅぞう)

民話のふるさとが育む、遠野の味わい

東北酒蔵街道

寛政元年(1789年)創業の建屋酒造店が前身。昭和19年戦時下の国家統制により上閉伊郡(遠野、釜石、大槌)の7業者が合併し会社組織化し、上閉伊酒造株式会社となる。戦後酒不足を背景に5社に分離し昭和31年に酒蔵を遠野市青笹町に移転し現在に至る。1999年からは地ビールの醸造を開始し近年では国際的なクラフトビールコンテストでも金賞を受賞するなど、味・品質ともに評価を得ている。この蔵の酒は、遠野三山のひとつ六角牛山麓の伏流水(軟水)を使用し遠野郷の清洌な空気のもとで醸された口当たりの穏やかな清酒である。

東北酒蔵街道 東北酒蔵街道 東北酒蔵街道
ここ遠野は、ホップの産地として有名であると同時に、柳田国男著『遠野物語』で知られる、河童や雪女伝説が伝わる民話のふるさとでもある。この蔵で酒造りをしている伊藤杜氏にお会いした時には、その朴訥とした風貌と貫禄に、思わず河童伝説についてお聞きしてみたい、と思ったほど、自分が描いていた遠野のイメージに溶け込んでいた。
長いキャリアをもった熟練の南部杜氏として、「酒づくりで一番大事なのは、蒸米だ。米の産地やその年の気候によって違う米の出来具合に合わせて、浸漬時間を変える。」と、伊藤杜氏は仕込みの間は蔵に住み込み、新里社長手作りの夕食を食べながら、酒造りに打ち込む。「社長に笑って頂けること」が、酒づくりの最大の喜びと語る伊藤杜氏のことばに、この蔵には、伝統的な当主と杜氏の関係が脈々と息づいていることを知る。
「これからは、遠野唯一の酒蔵として、若い世代にも飲んでもらえる酒づくりを考えていきたい」という新里社長の抱負に、伊藤杜氏がどんな酒を作って社長の笑顔を獲得するのか、とても楽しみである。
手島)
初心を忘れず、まじめな酒造り
所在地
岩手県遠野市青笹町糠前31-19-7
地図で確認する
交通機関
JR釜石線遠野駅から車で15分
電話番号
0198-62-2002
FAX番号
0198-62-2003
ホームページ
http://kamihei-shuzo.sakura.ne.jp/
酒蔵見学
9:00~16:00(土日祝休業)
要予約 ※11月~3月までは仕込のため難しい

試飲
入場料500円
(お土産付、3種類まで試飲無料)
店頭販売
大吟醸、遠野夢街道純米吟醸、特別純米酒・純
ネット販売
http://kamihei-shuzo.jp/syohin/
新酒発売予定
12月中旬・活性清酒(予定)
推薦銘柄
国華の薫・大吟醸
遠野夢街道・純米吟醸
特別純米酒・純
日本酒以外の限定品
クラフトビール(遠野麦酒ZUMONA)・酒ケーキ・酒ようかん・醤油・味噌・やまのきぶうジュース(佐幸本店)・仙人秘水(釜石鉱山の水)
駐車場
有/小型:8台 大型:2台
トイレ
共用
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