岩手県
56番 吾妻嶺酒造店(あずまみねしゅぞうてん)
南部杜氏発祥の地で醸す、引き継がれ、進化し続ける岩手らしい味わいの酒
JR東北本線、紫波中央駅から車で約15分。南部杜氏発祥之地の石碑から歩くこと数分、赤い屋根の建物が見えてきたら、それが吾妻嶺酒造店だ。1781年(天明元年)に「志和酒造店」として創業したこの蔵の前進は、近江商人の村井権兵衛が、1670年代(延宝年間)に、ここ岩手ではじめて上方流の“澄み酒”を作り、後に南部杜氏を生み出すことにつながった「権兵衛酒屋」である。南部流の本流中の本流の酒づくりを、若き13代目佐藤元当主が受け継ぎ、地元岩手にこだわった酒づくりを続けている。「米の旨味がたっぷりと感じられ、芳醇かつキレのよい酒」が、13代目の考える、岩手らしい酒の味わいだ。「香り立つ酒づくりは目指していません。含みのある味わい、それこそを日々目指して作っています。」
取材当日は、地元の紫波八幡宮の例大祭と重なったため、母屋の玄関には、紅白幕が結ばれていた。通された座敷はほの暗く、佐藤元さんのお母さんが、みたらし団子とお茶を運んでくる様子は、まるで小津映画のワンシーンのようだった。蔵にあった使い込まれた貯蔵タンクには、「成って成れない事は無い 成らずに成れる事も無い」「酒も女も弐合(号)まで」「やむにやまれぬ大和魂」等々、誰が書いたとも知れない落書きが残っており、明治後期から大正期に建てられた蔵のなかでは、代々酒づくりに情熱を注いできた先人たちの思いが、今も静かに息づき、13代目のこれからを見守っている。生産量の内、約6割が生酒というこだわりのなかから、試飲させてもらった<あづまみね 純米吟醸 美山錦 生>は、キレがありながら、芳醇な後味の余韻が心地よく、いつまでもその余韻に身をゆだねたくなる味わいだった。
- 所在地
- 岩手県紫波郡紫波町土舘字内川5
地図で確認する
- 交通機関
- 東北本線紫波中央駅から車で15分
- 電話番号
- 019-673-7221
- FAX番号
- 019-673-7222
- 酒蔵見学
- 10:00~16:30
事前予約制
※日曜・祝日・年末年始休業
*予約時に交通手段をお伝えください。
- 試飲
- 無料
(2種類程度)
- 新酒発売予定
- 11月下旬頃
- 推薦銘柄
- あづまみね 純米吟醸 美山錦 生 / 悠楽
- 日本酒以外の限定品
- リキュール、梅酒、山ぶどう酒
- 駐車場
- 有/2台
- トイレ
- 男女別
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