山形県
86番 楯の川酒造(たてのかわしゅぞう)
新しい高みを目指す、既成概念にとらわれない蔵
天保3年(1832年)創業。上杉藩の家臣が庄内を訪れた際に、水の良さを驚き5代目平四郎に酒造りを始めることを薦め、平四郎は酒母製造業を興した。安政元年(1854年)に酒造業を開始し、翌年、安政2年(1855年)荘内藩藩主 酒井公が当家に訪れた際酒を献上したところ、大いに喜ばれ酒銘を「楯野川」とするよう命名した。
現在の蔵元は6代目(佐藤淳平 38歳)。蔵人の平均年齢は30代と若いスタッフが多く、新たな挑戦を続ける柔軟性と発想力に富んだ蔵である。
地元農家の「酒米研究会」で生産された酒米(出羽燦々・美山錦)を製造する日本酒の8割以上で使用している。また、22BYより県内で唯一日本酒の製造全量を純米大吟醸酒にすることを決断。最高品質のものだけを造るということにこだわる。自社精米機により、超高精米[18%、8%]酒を実現している。
当代の佐藤淳平氏が蔵を引き継いだ時には150石(1石は一升瓶100本)という小さな蔵が、今は2,000石で、海外20ヶ国に輸出しているという。それも全量、純米大吟醸を生産と聞いて、ちょっと身構えてしまった。案内をしてくれた横浜市出身の榊田さんは、農大出身のしっかりしたお嬢さんで、蔵を盛り立てたい気持ちが溢れ出ている。蔵の入っていけるところまで見せていただき、その後、利き酒とお酒の販売をしているカウンターに案内されたところで、蔵元の佐藤さんにお話を伺う事が出来た。温和な表情に柔らかい口調で「地域に尽くしたい」と語る佐藤さんには、蔵を急成長させた猛烈な経営者のイメージとは別のものを感じた。「どれかお薦めの銘柄を」と尋ねると「これも美味しいですよ」と低アルコールのヨーグルトのリキュールを勧めてくれた。ふと、カウンター横の大きなガラス張りの冷蔵庫をのぞくと、月山の山ぶどう、庄内の和梨、山形ラフランスと、地元の名前を冠した果実をリキュールにした銘柄が並んでいる。どれも低アルコールの優しい味で、お酒の苦手な人も楽しめそうなものばかり。蔵を訪問したから知る事のできた革新の蔵、楯の川酒造の懐の広さだろうか。
- 所在地
- 山形県酒田市山楯字清水田27
地図で確認する
- 交通機関
- JR羽越本線酒田駅から車で20分
- 電話番号
- 0234-52-2323
- FAX番号
- 0234-52-2324
- ホームページ
- http://www.tatenokawa.jp/
- 酒蔵見学
- 見学不可。例年4月開催の「楯野川蔵祭り」にて見学可能。
- 試飲
- 販売スペースにて試飲可能。
10:00~16:00(日曜定休)
- 店頭販売
- 楯野川(日本酒)、子宝(リキュール)
- 新酒発売予定
- 11月中旬予定
- 推薦銘柄
- 楯野川純米大吟醸 三十三
楯野川純米大吟醸 主流
楯野川純米大吟醸 美山錦中取り
- 日本酒以外の限定品
- リキュール(子宝)
蔵元オリジナルグッズ
- 駐車場
- 有/小型:2台 大型:1台
- トイレ
- 無
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