秋田県
96番 飛良泉本舗(ひらいづみほんぽ)
創業500有余年。東北最古、日本でも3番目に古い老舗蔵
京に銀閣寺が建立された室町時代中期1487年の創業から500有余年。現存の酒蔵では東北最古、日本でも3番目に古い老舗蔵である。酒銘「飛良泉」は、地元の画家である増田九木が、越後に住む友人の名僧・良寛和尚へ「飛びきり良い白い水」とトンチの効いた手紙を添えて酒を贈った事から由来するという逸話が残されている。「はでな桜の花よりも、地味ながらふくらみのある梅の花のような酒をつくりたい」を信条に、頑固なまでに昔ながらの山廃仕込みにこだわり、小蔵ならではのきめの細やかな手造りを守り続けている。酒造りの特徴は昔ながらの「山廃仕込み」。薬品の乳酸を使わず、蔵の中で生きる天然の乳酸菌を自然培養し、1ヵ月もの時をかけて丹念に酒母を造る。こうして手抜きをせず愛情を込めて育てた分、強い酒母になり、冷めても温めてもよいコシが強く、ふくよかで呑み飽きしない独自の味わいを醸し出す。山廃はアミノ酸が豊富で体にも優しく、ややクセがあるが魅力ある不思議な酒。「山廃」の蔵であり、爽快感のあるものからコクのあるものまでそのバリエーションの幅広さが特長的で、最近では高精白の山廃純米大吟醸も仕込んでおり、精米歩合が上がるほど山廃は育てにくい為、高い技術が不可欠である。
訪問した日は小雪の降る風の強い日だった。海岸に近いので、これは海風なのだと思いながら蔵に入った。入ってすぐの通路の頭上に、それは大きな亀の甲羅が飾ってあるのを見て、あらためて海が近い蔵なのだと感じた。東北最古の500年の歴史は、重みのある内蔵、厳かな仏間とあちこちから感じられて、歴史の中に息づく空気感が外とは別の時間の流れさえ感じられる。当代は26代目で東京で学業を修め、広告代理店や、国税庁醸造試験所で研修し、メルシャン(株)で2年半の営業経験を積んで蔵に戻ったそうだ。広い世間での知見を、酒造りの合理化ではなく、手間のかかる、しかし味わい深い山廃造りに磨きをかけたところが素晴らしいと思う。また、その飛良泉の山廃の酒に、有名ソムリエがチーズなどを合わせて喝采を浴びた事もあったそうだ。伝統の酒造りが、広く異文化の食材とも引き立てあい、新しい味覚の喜びを生み出すという好例だ。
- 所在地
- 秋田県にかほ市平澤字中町59
地図で確認する
- 交通機関
- JR羽越本線仁賀保駅から徒歩で3分
- 電話番号
- 0184-35-2031
- FAX番号
- 0184-35-2030
- ホームページ
- http://www.hiraizumi.co.jp/
- 試飲
- 無料 内容は酒蔵に一任
- 店頭販売
- 飛良泉
- 新酒発売予定
- 12月上旬
- 推薦銘柄
- 飛良泉 山廃純米酒
飛良泉 大吟醸欅蔵
飛良泉 山廃純米マル飛№15
- 日本酒以外の限定品
- 粕取焼酎2種類
コースター、マグネット、アクリル塗升
- 駐車場
- 有/2台(大型車は公共駐車場あり)
- トイレ
- 男女別
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