東北夢の桜街道

秋田県

95番 佐藤酒造店(さとうしゅぞうてん)

「出羽の冨士」をいただきながら地元に根付いた酒造りの蔵

東北酒蔵街道

佐藤酒造店は、秋田県羽後本荘駅から鳥海山ろく線で40分、終点の由利本荘市矢島町にある。矢島町は鳥海山の登山口にあり、米どころ秋田の中でも最も良質の米の産地である子吉川流域の旧生駒藩城下町で、米や木材の集積地であった。明治から昭和初期には湯沢、六郷、新屋と共に銘醸地の一つと称され10軒ほどの酒蔵があったが、今は2軒で、そのうちの1軒が佐藤酒造店だ。明治30年初期、矢島町に「有誠組合」と称する組合組織の酒造場があり、「出羽の冨士」というのはその頃からの銘柄名。元々は農家で古着屋で身を立てた初代佐藤久吉が家業とする目的でその酒造権利を譲り受け佐藤酒造店として継承した。二代目久兵衛、三代目久一は醸造技術を学び共に酒質の改良に力を注いだ。当代の佐藤誠社長は四代目、「秋田流低温発酵と手作りを主体として高い品質を目指して、秋田らしい日本酒を造り続けたい。」と語る。

東北酒蔵街道 東北酒蔵街道 東北酒蔵街道
絵に描いたようなローカル線、由利高原鉄道の矢島駅からのんびり歩いていける距離の佐藤酒造店の蔵内の事務所で目にした黒電話と旧式ファックスに驚いた、モノを凄く大事に使っているという印象。床もピカピカで、蔵の中から眺められる中庭もとても綺麗に手入れされている。杜氏の小番(こつがい)さん62歳、佐藤社長76歳であるが肌艶がピカピカで若々しい。お酒の販売は、もっぱら矢島町・鳥海町である。葬儀やお祭などに沢山飲めるように甘口の飲みやすいお酒のスタイル、地元では燗酒が多く300mlをお燗して酒席に持って行っていくような機会もあるそう。蔵のトップ銘柄、旧生駒家の家紋「半切りの車」をラベルに使った「天之美禄」は生駒藩秘蔵酒として販売している。「天之美禄」という名称は生駒家のゆかりのある姉妹都市高松の弘憲寺より、その書体の使用しているそうだ。
平出)
鳥海山からの伏流水で醸す「出羽の冨士」は「品質本位」の代名詞
所在地
秋田県由利本荘市矢島町七日町26
地図で確認する
交通機関
由利高原鉄道鳥海山ろく線矢島駅から徒歩で15分
電話番号
0184-55-3010
FAX番号
0184-55-3012
ホームページ
http://www.dewanofuji.co.jp/
酒蔵見学
通年 事前予約、土日不可
試飲
3種類まで無料
店頭販売
天の美禄大吟醸、大吟醸古酒鳥海誉、芳春
新酒発売予定
毎年12月中旬~下旬
推薦銘柄
出羽の冨士 天之美禄 大吟醸
大吟醸古酒 鳥海誉
本醸造原酒 芳春
駐車場
有/小型:10台もしくは大型:2台
トイレ
男女別
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